2013年2月20日水曜日

音声模倣:質問への回答2

 前回の投稿に付け加えて、質問への回答をします。
 質問の内容は以下の通り。音声模倣(五十音順)まで進みましたが、一行に3文字以上に進みません。「あか、あお、もも」は、まね出来る様になりましたが、「ばなな、りんご」などがまね出来ない状況です。「立って」、「コップ取ってきて」、「ばななを指指して」などが出来るので、物の名前などは分かるはずなんですが。
 
 他の方にもためになると思いますので、私の回答を以下に載せておきます。
 音声模倣は一番難しいレッスンの一つです。どうしても身体プロンプトが使えないので、シェイピング・分化強化していくしかありません。ここで大切なことが二つあります。
1:「物の名前が分かっている」ということと、「物の名前が言える」というのは、全然別のスキルだということです。
2:「一音一音が言えるのだから、組み合わせも出来るはず」と一概に考えてしまいがちですが、そうとも限らないということです。
 私の経験からすると、自分の名前が言えない子どもがいました。「名前は?」と聞くと、「イェティー」と言いますが、本当の名前は全然違うんです。しかも、名前の一音一音を模倣させると言えるんですが、組み合わせると何故か大分違う「イェティー」になってしまう。本人は結構自身満々で言っています。スピーチ(言語聴覚士)の先生も「組み合わせの音は難しい」と言われました。
 こういう場合、子どもと療育する場合の両方にストレスがかかってしまいます。物の名前が分かっていても口で言えない(自分では言っているつもりでも口から出てこない)というのは子どもにもストレスがかかります。教えている方は「何で言えないんだろう」という疑問から、ストレスがかかります。はっきり言って、ストレスをかけたまま練習を繰り返して、あまり喋らなくなってしまった(話す事自体が嫌になった)例も見ました。
 どういうことかというと、私の理解では、筋肉を育てる必要があるので、時間がかかるということです。大人は流暢にはなしているので、筋肉を使っていることさえ意識していませんが、顔の筋肉は複雑です。話はじめの子どもは筋肉が発達していないので、特に音の組み合わせを覚える際には、しょっちゅう話させて筋肉を徐々に育てることが大切です。
 私の場合、ストレスをかけないように言葉全体の練習をすることが大切だと思います。「ばなな」や「りんご」の発音自体にあまり固執せず、「言おうとしている」「がんばっている」行動全体を褒めてやれば、本人にもストレスがかからずに日常的に音の組み合わせをがんばって出す練習の機会を増やせます。筋肉増加の練習量が増えれば、練習量増加にともなって、特別「ばなな」ばかりを練習していたわけではなくても、徐々に3音4音の組み合わせの音が出来るようになる事があります。
 ちなみに「イェティー」君も今では普通に喋ってます。「イェティー」と言い始めてから自分の名前が言えるようになるまで、半年以上かかりました。

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