2013年2月12日火曜日

待つ力:欲しい物を待てる?

 今日アメリカの国土安全保障省に電話して、申請手続きに関する質問をしました。そういう所って、だいたい始めは機械が応答します。日本語に翻訳すると、「お電話ありがとうございます。○○の方は○番を、○○の方は○番を押してください。」といった感じで流れますので、番号を押して回答していきます。「お待ちいただきありがとうございます。電話をかけられた順番で応答します。申請書類の番号を用意してお待ちください。」といったアナウンスが流れつつ、このまま国際電話なのに30分も待たされました。結局のところ待てずに電話を切ってしまいました。それだけ待てば本当に腹立ちますよね。外国人だからって(国土安全保障省に電話するのは基本的に外国人)、そんなに待たせなくて良いですよね。日本の官公庁は最近ずいぶん親切になってきましたから(というか前から)、電話で30分以上待たされるという事はまずないと思います。
 日本では官公庁でないところで、結構待たされます。電車とか、ラーメン屋とか、テーマパークとか。でも驚いた事に、みんな平気な顔で待ってますよね。両親と墓参りの帰りに、ついでだから近くの小さなテーマパークに寄りました。お昼を食べたかったのですが、どこのレストランからも「18組待ちです。」なんて言われて待つ気すらしません。肉まんやコロッケなどの軽食を買うのにも行列。しかも並んでない所に行ったら、「材料が亡くなってしまいました」とかで、待たずに食べるという選択肢がひとつもない。それでも、並んでいる人を見ると、どなたも別に平気そうなんです。驚くべき日本人。そんなに腹減ったまま待たされて大丈夫なのか?私的には暴動起こす寸前だったんですけど。日本人は行儀が良いということなんでしょうか。
 自閉症や発達障害がある子どもの療育をすると、よく「この子は全然待てないんです。欲しいお菓子があればすぐに椅子に登ってでも棚から取ろうとするし、ダメだと言ってもその場では聞いたような顔をしているんですが、すぐにまた取りに行ったり。」という事を聞きます。「待つ」という行動を教えるにはどうしたら良いんでしょうか?残念ながら、人って待てないもんです。「待って」という指示に従うように教えられない事もないですが、言語が発達していない子どもの場合、基本的に教えられる待ち時間は短く、長くても一分とかが限界です。というのも、言語できちんと説明できない人を、長く待たせようと試みる事がおこがましい。例えば外国人で全然言葉が通じない人を、時刻表のないバス停からバスに乗せたいとします。その人に、一人でバス停で30分待たせることが出来るでしょうか?説明無しに人を30分待たせるという事はまず出来ません。それこそよっぽど暇がない限り、時刻表もないバス停で、来るか来ないかも分からないバスをいつまでも待つことはないでしょう。特に「バス停」自体の意味も知らなければ、尚更待つことを期待する方がおかしい。
 ですから、長時間待たせなければならない場合には、「待つ事を教える」のではなく、「待たせずに、他に何をさせれば良いか」を考えます。子どもを外出先で待たせる必要があるのならば、ちょっとしたスナック類と携帯できるオモチャ類は必需品だと思います。待つのではく、代わりに何をしたら良いのか指示するのです。例えば、「待つんだよ。」というんではなく、「じゃあこのオモチャで遊びましょう」という風に持って行く訳です。お腹がすいてきたら、「もうすぐご飯だからダメ」ではなく、「ちょっとスナックを食べましょう、ちょっと食べたらすぐに遊びをしましょう。」という指示を与える訳です。これは甘やかしではなく、「説明があまり理解できない」という事を親が理解した上で当然の配慮をするだけの事です。泣いたり、逃げ出そうとしたり、近くの物に手を出そうとしたりする子どもに、「ダメ!」と何度言っても無駄です。逆にけんかになります。待っている意味が分からないのですから。
 今言ったような「ダメ!」という事を繰り返していると、逆に物に対して執着するようになることもあります。いつも「何となく好きな物をもらえていない(飢えている)状態」と言うと分かりやすいですかね。隠れて物を取ろうとしたり、反抗したりするかもしれません。物を我慢させるよりも物を与えるタイミングに焦点をあてることが大切です。我慢させたいなら、逆にいつもらえるのか分かりやすくしてやれば、飢えなくてすみます。欲しいと言われたら、言葉の分かる子どもだったら「ダメ」じゃなくて「じゃあご飯の後で」などいつもらえるのか教えてあげる。言葉がわからないのであれば、「じゃあ○○しなさい。」とレッスンのご褒美として与える。物への執着の強い子どもから、物を取り上げなければ行けない時は、「交換」なんてします。「これはダメ!」ではなく、逆に「これをあげる」ということです。

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