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問題行動:攻撃・他害は減少すれば良い?

 最近スポーツ界では、パワハラとか傷害事件とか、他の人への攻撃行動の報道が頻繁に起こっていますよね。スポーツ界を離れて、 行政の偉い人までセクハラ行動で問題になっています。 こういった問題行動は今に始まったことではなく、特に昭和には当たり前に見られていたことですよね。スポーツ界とか政界とか、それぞれの業界によって許容されてきた問題行動を、やっと今になって問題と理解するようになり始めたと言っても良いのではないでしょうか。しかし、スポーツ界でも行政の長でも、 日本を代表するような優れた知的能力や身体能力を持った人達ですよね。その人たちが、 態度が悪いからと言って殴るとか、自分の監督から外れる人に嫌がらせするとか、立場の弱い人に「言葉遊びをする」とか、そんなくだらない行動を取るというのは、不思議でもあります。優秀だろうが能力が高かろうが、「人間ってみんな平等なのね」とちょっと思ってしまう。  他の人を傷つけてしまう他害というのは、問題行動の中でも特に深刻な行動です。他害で気を付けなければならない点は、「他害は減少させれば良い」では不十分であることです。パワハラとか障害とか、そういったことが表に出るには、すでにたくさんの報告されていない問題行動が起きていたはずで、しかも、たくさんの人がその現場にも居合わせて見ていたはずです。そして「あの人がすることだから」とか「きっと他の問題でイライラしていたから」とか、何らかの理由をつけて、それが許容されてきた来たはずなのです。小さな嫌がらせでも、嫌がらせは嫌がらせなのです。「1回でも、どんな状況でも、人を傷つけることは許されてはいけない」という認識を私たち全員が共有する必要があるのです。「誰かが我慢すればよい」と言う時代は終わらなければいけないのです。  療育の正解で私が専門家として自立した初めての頃に職場の上司から言われたことを、今でも守っています。「他害は絶対に0にしなければならない」と言うルールです。「他害は減少させれば良い」では、少ない回数で起こる攻撃行動をそのまま少ない回数で起こるように強化してしまっているのと同じと言うことなのです。行動によっては、低い頻度で起こることを強化維持すればよい場合もあります。例えば指示に従わずに笑ってしまうとか、悪口を言うとか、そう言った行動は頻度が低ければ問題ではないのです。しかし、他害は1

第1回オンラインABA講座

 子どもを連れて、ディズニーランドに行ってきました。いつ行ってもあの人の多さと、「ミッキー!」と叫んで駆け寄っていく人たちの、あのテンションにはとてもついていけけません。最近はみんなペアルックとか、グループで揃えた格好で行く人が多いですよね。楽しそう。しかも二人で同じ格好をしている男子学生までいる。それはどう言うことか?世の中変わって来たなあ・・・・ミッキーのカチューシャをつけたニキビ顔の男子学生を横目にぼんやり歩きます。そんな私自身、グーフィーの帽子を被って疲れ切った表情で歩いており、「おっさんになってもあんな帽子で、しかも何で疲れ切っている?」と、きっと思われていることでしょう。子連れは大変なのだ。  子連れで激しい乗り物には乗れないので、ショーをいくつかみました。「One man's dream」と言うショーは、一人の男の夢でしかなかった物が、こんな大きなディズニーランドにまで成長したと言うメッセージ性のあるもので、ショー自体はあまり関係のない感じになるのですが、「One man's dream...」と歌うあの歌が好きですね(そこしか歌詞は知らないけれど)。そんな壮大なレベルではなくても、何か新しいことをしようとすると、全ては一人の夢から始まる・・・と勝手に良い気分になる。  と言うことで、今回新しいオンラインの講座を始めて見ました。ブログですら1年以上休んでいた私がこれから継続してできるのか?と言う疑問はありますが、まあとりあえず楽しいことは始めて見ましょう。ウェブサイト上で読者の反応や質問などが載せられるような掲示板が作れなかったので、YouTubeで直接コメントいただけるか、もしくはこのブログに質問などを直接コメントしていただけると、ありがたいです。  オンライン講座に興味のある方は是非 www.kojitakeshima.com/ホーム/オンライン講座 に行って見てください。

自閉症の子の卒業、小学校へ入学、そして将来

 4月になりましたね。それにしても暑い。暑すぎて、頼まれてもいないのに毎年やってくる、あの足長蜂たちも大活躍なんでしょうね。まだ4月と言うのに玄関先に作られた巣を駆除いたしました。それにしても玄関先に巣を作るのはやめて欲しい。朝ドアを開けてすぐに蜂と目を合わせるのは、怖すぎる。  私の小さな教室でも3月は卒業生ラッシュでした。これまで4年以上も来てくれていた生徒さん達も含めて、今年度は15人以上も卒業して小学校に入学して行きます。卒業後の進路はそれぞれで、普通学級に行く子も、特別支援級に行く子も、特別支援学校に行く子もいます。成果もそれぞれで、あんなに泣いて拒絶しまくった子がノリノリで主活動をやったり、あんなに工作に無関心だった子がニコニコで工作の先生を呼んだり、ロボットみたいなセリフを言っていた子が友達を家に誘いまくっていたり、人をすぐに叩いていた子が小さい子に優しくオモチャを譲ったり、成長のエピソードもそれぞれです。  現在は早期教育が当たり前になって来て、小さい子の塾も乱立していますよね。ただドリルをやりまくっても教育効果が上がりにくいとは分かってはいても、ついつい「詰め込み型」の学習に走ってしまうぐらい、「早いうちに何かしなければ」と言う漠然としたプレッシャーもご両親には大きいかと思います。普通教育であろうと療育であろうと、目の前だけでなく長期的な教育の効果を見据えた計画が必要になると思います。  ABAを使った自閉症の療育では、スキルを直接訓練するタイプをディスクリート・トライアル・トレーニング、そしてモチベーションを高めて自己学習を増やすやり方をPRTなどとも言いますが、どちらの視点も大切です。ちなみに私の教室のルールは、「みんなが楽しい」です。教室に通われる期間が長ければ長い程、教室での活動へのモチベーションも高くなり、教室でやった活動が大好きになって行きます。色々な活動を好きになると言うことは、家でも外でもそれを考えていたり、やってしまうようになりますから、自分からスキルを学習することに繋がります。教室ではモチベーションを高めるタイプの教育にも力を入れていますから、時に「楽しいだけで大丈夫なのだろうか?(もっと勉強させなくて大丈夫なのだろうか?)」と不安になられた保護者も中にはおられたかと思います。  スキルはできるだけたくさんあった方が良い