2018年6月11日月曜日

第4回オンラインABA講座:絵本の読み聞かせ

 第4回の講座は、絵本の読み聞かせにしました。絵本って楽しいですよね。繰り返し読み聞かせることによって、言葉のリズムを教える良い機会にもなりますし、本を読む楽しみを教えることにも繋がります。他の教材と同様ですが、絵本も読み聞かせ方によって子どもの「食いつき」と言うか、興味の持ち具合も随分変わってきます。上手な先生が読まれると、本当に引き込まれます。私は絵本の読み聞かせの専門家ではないのですが、発達障がいを専門に教える立場として、そしてABAの専門家という立場から、特に絵本に興味のない子どもにどうやって読み聞かせをするのか、今回は読み方例とその説明を紹介させていただきました。
 絵本の読み聞かせは随分と前から一度オンラインで紹介したいとは思っていた題材です。これがなかなか実現できなかったのは、絵本の出版社からの承諾を取っていなかったからです。当然ですが絵本には著作権があり、読み聞かせをするには出版社や著者からの承諾が必要になります。ただ、オンラインで使うとなると、承諾してもらうのは難しいかな?大体からして、それって誰に連絡を取れば良いの?という疑問も含めて、何だか面倒臭くなってきて、その内に「まいっか」と、なかったことにしてしまう悪循環。そのまま時間が経ってしまっていました。
 結論から言うと「著作物使用許可申請書」なる物が世の中にはあるんです。これに書いてファックスで申請できるんだそうです。申請書はオンラインで手に入り、オンラインで出版社のFAX番号を調べ、送る。・・・意外と簡単ですよね。無知って恥ずかしい。今でもファックスって使うんですね、と思いながら、年甲斐もなくちょっと恥ずかしくもドキドキするので、他の人に頼んでしまいました(裏技)。やっぱり断られたらガッカリするので、3社ぐらい送っちゃおう。人生勉強だと思って、やっちゃえ、やっちゃえ。ダメなら、ダメな時ですよね。
 驚きです。出してその日の内に電話がかかってきました。何となく返答はすぐに来ないように勝手に想像していたのですが、3社全て即時に反応をいただいて、しかも「大丈夫だと思います。後でFAXで正式返答します。」と即答されるところもあり、なんて素早い対応なんでしょう。しかも出版社によっては、「期間はどれくらいですか?作者への謝礼はありますか?こういった申請が初めてなので、著者に連絡するのにそれぐらいの情報は確認したくて」など丁寧に色々と質問していただいて、これまたビックリ。しかも、「(竹島の)ウェブサイトを見たんですけれど、今開けなくて・・・」またまたびっくり!そう言う申請は今まであまりなかったのか?それでも柔軟に対応するなんて、ああ、世の中には大人な対応をする人たちもいるんだ・・・。出版社の人をみくびっていた私。また世の中について勉強させていただいた。丁寧な対応をしていただいた出版社の方々、ありがとうございます。
 ちなみに私の教える教室で就学前のお子さんですと、生徒さんの中で絵本が好きになる確率は、ほぼ100%に近いと思います。教室では週2回以上読んだ子(しかもご家庭で保護者も読まれた方)に限れば、「ぼぼ」ではなく100%と言い切れます。私もABAを始めた頃は、絵本を子どもが好きになると言うことを知りませんでした。でも、好きになるんです。教室を見学される方の中にも、「こんなに長い間絵本で座っていられるんですね」と言われることがあります。しかし、紹介されるような読み方で、時間をかけて少しずつ読んで行くことで、変わってくるのです。絵本が好きになると、褒められたからではなく、楽しいから席に座ることができるようになりますから、他のことが教えやすくなりますし、集団での教育が格段にやりやすくなります。ぜひ試して見てください。
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2018年5月25日金曜日

第3回オンラインABA講座「そんたく」

 アメフトの事件、もの凄い報道されていますよね。私も強い関心を持って見ています。通常スポーツでの反則行為がここまで報道されることはないと思いますが、あのタックルの映像や、その後の大学側の対応の仕方、そして特にあの反則行為を行なった生徒の会見にはショックを受けました。あの生徒の言うことが全て本当だとしたら、生徒があそこまで追い込まれることがあるということ自体が、本当に怖いことですよね。最近はすぐに親の立場になって考えてしまいます。私はどちらかと言うと、反則行為を受けて怪我をした生徒の親の気持ちよりは、反則行為をしてしまった生徒の親の気持ちを想像して(失礼ながら勝手に)しまいます。もちろんスポーツ選手としてはエリートの生徒さんでそれだけ今後の期待も大きかったでしょうに、このような事件になってしまった親の気持ちを考えるといたたまれないです。
 もちろん、反則行為は二度と起こさないように罰される必要があります。ただ、もしあの会見の内容が全て本当だったとしたら、それをあそこまで明らかに会見で世間に発表してしまったこと自体は、敬意を表する価値があると思います。行なってはいけない反則行為を二度と起こさないためには、その経緯をはっきりさせて、どのような理由からあの反則行為に至ったのかの(問題行動の機能、本人にとっての意味合い)分析がなされなければ、そこから学ぶことはありません。もしこのプロセスがしっかりとできていれば、きっとまだ長い将来人生として成功できる糧になるはずです。同じ流れで行けば、大学側も、どのような経緯から生徒が反則行為をするという行動を生み出したのか、それが監督やコーチにとってどのような機能(理由・意味合い)があったのか、全てを明らかにして分析ができれば、今後二度とこのようなことを起こさない、信頼できる教育を成功させることにつながると思います。
 監督も反則した生徒も、「怪我をさせろ」と監督が具体的には言っていないことには意見が一致していますね。それにもかかわらず生徒は「本当に怪我をさせなければ行けない」と思ったと会見で話しています。これは相手の気持ちを察して行動する「忖度(そんたく)」の行動が起こったと言うことでしょう。こう言った行動、どこか政治家と官僚の話でもでも聞きましたね?今回のオンラインABA講座は、「そんたく」と言う行動を取り上げて、分析して見ました。行動には必ず機能(意味合い)があります。それを分析することが重要だと思います。「忖度(そんたく)」の行動を分析
 

2018年5月11日金曜日

第2回オンラインABA講座

 最近ぬか漬けを始めました。以前にもやっていたことがあったのですが、半年も経たないうちに挫けました。挫折の原因はやっぱり面倒臭いところですかね。何日も何もしないで放っておける物でもないですよね。冷蔵庫で保管したとしても、やっぱり1日おきぐらいにはかき混ぜたり、菌の餌となる野菜を入れたり、様子を見ないと行けない。言ってしまえば良い菌を糠の中で育てているのですから、動物を飼ったり、植物を育てたりするのと同じ感覚です。お世話しなければ行けないと旅行にも行けない。ただ、その「育てる」感が良くて、何となく乳酸菌とか良い菌がどんどん育っているような感じは楽しいですよね。でも菌は決して目に見えないですし、野菜入れたり抜いたりかき混ぜたり、あまりに地味な作業に投げ出したくなる。「美味しい漬物だよ」と毎日ぬか漬けをつけてくれるお婆ちゃんが欲しい。
 ぬか漬けを再開したのには、参加できる講座があったんですよ。やっぱりプロと言うか、専門にやっている人の本物の味を試してみたい。以前はカリフォルニアでぬか漬けのキットみたいなのが売ってて、始めたんです。そうなんです。意識高い系の日本食スーパーならアメリカでも手に入るんです。私の母親はぬか漬けを作ったことがないので、日本ではあまり食べたこともなかったのです。本当はどんな感じになるのか、よくわからないままインターネット情報だけで作っていました。そうか、やっぱりプロだよね・・・。ついつい参加してしまいました。講座の先生は「なんたら(発酵関係だったと思う)マイスター」と自称していましたが、世の中にはそう言う資格があるのだろうか?とりあえず講座で人が集まるぐらい上手なんでしょう。先生の作っている(面倒見ている?)糠を食べさせてもらったり、それを私の糠にも少し分け入れてくれたり、麹(こうじ)菌を入れてくれたり、発酵させたりんごジュースを入れたり、鮒寿司にも使われると言う乳酸菌を米粉で培養したヨーグルトみたいなのまで出て来て、やっぱりプロっぽいこだわりの発酵系食材がたくさん出て来て、一人で始めるのとは随分違う。最近話題の「腸活」ってい言うんですかね。花粉症とかのアレルギーにも効くらしいですよ。やりましょうよ、よし。そう思って始めましたが、1週間もしない内にちょっと面倒臭くなって来た。今回は半年もしないうちに挫けるかな?
 「やってみようかな?でも長続きせずに挫けるかな?」と言う感じで始めたと言えば、オンライン講座です。また2回目を作成してアップしておきました。オンライン講座の焦点は「ABAの視点から世界を見る」と言うことを目標に、日常の何気ない行動をABAの観点から分析してみると言う試みになります。どうしても世の中「これが良い」と言うやり方を求められる場合が多いのですが、ABAは「やり方」の集合体ではないのです。どうやって世の中を見るのか、「考え方」の集合体なのです。やり方・教え方には1つだけの正解と言うのはないですし、また同じやり方・教え方でやったとしても、分析によってはその時効果があるかもしれないし(適切だった)、効果がない(不適切だった)かもしれないのです。その考え方が上手になると言うことが、ABAが上手になると言うことなのです。「ABAは無視するんでしょ」と言われることがありますが、その発言自体がABAをわかっていないのです。無視することもありますよ。でも、無視することが適切かどうかは、その時の状況を分析しないとわからないのです。子どもの行動を見て、大人の教え方を見て、一見それが良いように見える時も、その前後の状況・文脈を見ないと、それが今が良い状態にあるのか、何か変えなければ行けないのか、わからないのです。この文脈と行動の関係の分析を学んでいただけると嬉しいです。
 作り出してしまえば非常に楽しい講座なののですが、何をテーマにするのか考えるのは結構辛いですね。みなさんの質問やコメントとかがあると、次はそれに合わせて作りますので、ぜひとも質問・コメントよろしくお願いします。今回は、「片付ける」と言う行動をメインに分析し、改善の方法とその分析を提案しました。ぜひ見てください。http://www.kojitakeshima.com/ホーム/オンライン講座

2018年4月26日木曜日

問題行動:攻撃・他害は減少すれば良い?

 最近スポーツ界では、パワハラとか傷害事件とか、他の人への攻撃行動の報道が頻繁に起こっていますよね。スポーツ界を離れて、行政の偉い人までセクハラ行動で問題になっています。こういった問題行動は今に始まったことではなく、特に昭和には当たり前に見られていたことですよね。スポーツ界とか政界とか、それぞれの業界によって許容されてきた問題行動を、やっと今になって問題と理解するようになり始めたと言っても良いのではないでしょうか。しかし、スポーツ界でも行政の長でも、日本を代表するような優れた知的能力や身体能力を持った人達ですよね。その人たちが、態度が悪いからと言って殴るとか、自分の監督から外れる人に嫌がらせするとか、立場の弱い人に「言葉遊びをする」とか、そんなくだらない行動を取るというのは、不思議でもあります。優秀だろうが能力が高かろうが、「人間ってみんな平等なのね」とちょっと思ってしまう。
 他の人を傷つけてしまう他害というのは、問題行動の中でも特に深刻な行動です。他害で気を付けなければならない点は、「他害は減少させれば良い」では不十分であることです。パワハラとか障害とか、そういったことが表に出るには、すでにたくさんの報告されていない問題行動が起きていたはずで、しかも、たくさんの人がその現場にも居合わせて見ていたはずです。そして「あの人がすることだから」とか「きっと他の問題でイライラしていたから」とか、何らかの理由をつけて、それが許容されてきた来たはずなのです。小さな嫌がらせでも、嫌がらせは嫌がらせなのです。「1回でも、どんな状況でも、人を傷つけることは許されてはいけない」という認識を私たち全員が共有する必要があるのです。「誰かが我慢すればよい」と言う時代は終わらなければいけないのです。
 療育の正解で私が専門家として自立した初めての頃に職場の上司から言われたことを、今でも守っています。「他害は絶対に0にしなければならない」と言うルールです。「他害は減少させれば良い」では、少ない回数で起こる攻撃行動をそのまま少ない回数で起こるように強化してしまっているのと同じと言うことなのです。行動によっては、低い頻度で起こることを強化維持すればよい場合もあります。例えば指示に従わずに笑ってしまうとか、悪口を言うとか、そう言った行動は頻度が低ければ問題ではないのです。しかし、他害は1回でも起こってはいけないのです。そのまま継続させていると、長期的に継続して強化されてきた行動ですから、ゼロにすることがさらに難しくなります。
 他害・攻撃行動を許容してしまうことは、教育界の中では、思ったよりもよく見られます。私の教室に入ったばかりの生徒さんの中には、何か嫌なことがあったり、欲しい物が手に入らないと、お母さんを叩いたりつねったりすることがあります。ここで典型的に見られるのは、「痛い。やめてよ。」などと口にしながらも、お母さんは真剣にそれを注意する様子もなく流してしまうことです。私がそれに気づいたら必ず子どもの今やっていることを止めて、「お母さんは大切。絶対に叩かない。」と注意します。それ以上起こるのであれば、それぞれの状況や理由によって対策を考えますが、まずは「絶対に許容しない」と言う姿勢が大切なのです。私が子どもから叩かれて、それを真剣に注意すると、「幼い子どもになんて大人気ない」という風にも見えるかもしれません。しかし、攻撃行動を続ければその子が加害者になり続け、1回でも他の子を叩けば「あの子は叩くから」と近寄られなくなってしまう可能性もあるのです。子どもにとって一番大切なことは、攻撃行動を一刻も早く、ゼロにすることなのです。
 人によっては「ABAは無視をするのかと思った」とか勘違いされることもあります。ABAは行動が起こるその理由によって対処を変えますし、他害に関しては「絶対にダメと言わない」と言う選択肢はないと私は考えます。「ポジティブに誉める教育が大切」などと言われる方もいます。その通りですが、適切な他の行動を誉めるという対処で問題行動がゆっくりと減少し、タイムアウトなどの厳しい対処をすると、比較的問題行動が早くゼロになっていく可能性があるのであれば、それを保護者に伝えていく、インフォームドコンセントが必要になると思います。もちろん通常はほめて、ほめて、ほめて、を繰り返していますが、場合によっては、厳しめの対処と言うものが長期的に子どもの利益につながることがあると、当たり前のことを専門家も言わなければいけないです。
 これはスクールカウンセラーをやっていた私の知り合いが言ったことですが、生徒が家庭でお母さんに暴力をふるうケースがあって、子どものお母さんによっては「私が我慢すれば良いのだから」「ストレスが溜まっているようだし、これぐらいは良いのでは?」のようなことを言われる場合もあるそうです。この場合「将来この子が結婚して、ストレスがたまったら、どうするんですか?」と尋ねるそうです。その子のためを思うなら、できるだけ早期のうちに、場合によっては厳しい対処を使っても、行動をゼロにすることを前提として何かをし始めることが、一番なのです。

2018年4月11日水曜日

第1回オンラインABA講座

 子どもを連れて、ディズニーランドに行ってきました。いつ行ってもあの人の多さと、「ミッキー!」と叫んで駆け寄っていく人たちの、あのテンションにはとてもついていけけません。最近はみんなペアルックとか、グループで揃えた格好で行く人が多いですよね。楽しそう。しかも二人で同じ格好をしている男子学生までいる。それはどう言うことか?世の中変わって来たなあ・・・・ミッキーのカチューシャをつけたニキビ顔の男子学生を横目にぼんやり歩きます。そんな私自身、グーフィーの帽子を被って疲れ切った表情で歩いており、「おっさんになってもあんな帽子で、しかも何で疲れ切っている?」と、きっと思われていることでしょう。子連れは大変なのだ。
 子連れで激しい乗り物には乗れないので、ショーをいくつかみました。「One man's dream」と言うショーは、一人の男の夢でしかなかった物が、こんな大きなディズニーランドにまで成長したと言うメッセージ性のあるもので、ショー自体はあまり関係のない感じになるのですが、「One man's dream...」と歌うあの歌が好きですね(そこしか歌詞は知らないけれど)。そんな壮大なレベルではなくても、何か新しいことをしようとすると、全ては一人の夢から始まる・・・と勝手に良い気分になる。
 と言うことで、今回新しいオンラインの講座を始めて見ました。ブログですら1年以上休んでいた私がこれから継続してできるのか?と言う疑問はありますが、まあとりあえず楽しいことは始めて見ましょう。ウェブサイト上で読者の反応や質問などが載せられるような掲示板が作れなかったので、YouTubeで直接コメントいただけるか、もしくはこのブログに質問などを直接コメントしていただけると、ありがたいです。
 オンライン講座に興味のある方は是非www.kojitakeshima.com/ホーム/オンライン講座に行って見てください。

2018年4月6日金曜日

自閉症の子の卒業、小学校へ入学、そして将来

 4月になりましたね。それにしても暑い。暑すぎて、頼まれてもいないのに毎年やってくる、あの足長蜂たちも大活躍なんでしょうね。まだ4月と言うのに玄関先に作られた巣を駆除いたしました。それにしても玄関先に巣を作るのはやめて欲しい。朝ドアを開けてすぐに蜂と目を合わせるのは、怖すぎる。
 私の小さな教室でも3月は卒業生ラッシュでした。これまで4年以上も来てくれていた生徒さん達も含めて、今年度は15人以上も卒業して小学校に入学して行きます。卒業後の進路はそれぞれで、普通学級に行く子も、特別支援級に行く子も、特別支援学校に行く子もいます。成果もそれぞれで、あんなに泣いて拒絶しまくった子がノリノリで主活動をやったり、あんなに工作に無関心だった子がニコニコで工作の先生を呼んだり、ロボットみたいなセリフを言っていた子が友達を家に誘いまくっていたり、人をすぐに叩いていた子が小さい子に優しくオモチャを譲ったり、成長のエピソードもそれぞれです。
 現在は早期教育が当たり前になって来て、小さい子の塾も乱立していますよね。ただドリルをやりまくっても教育効果が上がりにくいとは分かってはいても、ついつい「詰め込み型」の学習に走ってしまうぐらい、「早いうちに何かしなければ」と言う漠然としたプレッシャーもご両親には大きいかと思います。普通教育であろうと療育であろうと、目の前だけでなく長期的な教育の効果を見据えた計画が必要になると思います。
 ABAを使った自閉症の療育では、スキルを直接訓練するタイプをディスクリート・トライアル・トレーニング、そしてモチベーションを高めて自己学習を増やすやり方をPRTなどとも言いますが、どちらの視点も大切です。ちなみに私の教室のルールは、「みんなが楽しい」です。教室に通われる期間が長ければ長い程、教室での活動へのモチベーションも高くなり、教室でやった活動が大好きになって行きます。色々な活動を好きになると言うことは、家でも外でもそれを考えていたり、やってしまうようになりますから、自分からスキルを学習することに繋がります。教室ではモチベーションを高めるタイプの教育にも力を入れていますから、時に「楽しいだけで大丈夫なのだろうか?(もっと勉強させなくて大丈夫なのだろうか?)」と不安になられた保護者も中にはおられたかと思います。
 スキルはできるだけたくさんあった方が良いと思います。しかも、いろいろな種類あった方が良いと思います。ただし現在学習しているスキルの数や種類だけを見るではなく、新しいスキルを継続して学習していこうとする行動傾向も必要になります。持っているスキルが高いことよりも、スキルが増えて行くベクトルが上向きになっていることの方が長期的にはたくさんのスキルを学習することに繋がる可能性があるのです。将来伸び続ける生徒さんに育つために、「学習への好奇心」をどれだけ育てられたでしょうか?新しいことに対して失敗を恐れずに興味を持ってやってみようとする行動傾向を育てるには、結局「新しいことにチャレンジして楽しかった」と言う一見地味な体験を一歩ずつ積ませて行くしかないのです。教室では新しいことをパターンにして繰り返し提示したり、難しいことを分解して簡単にしたり、すでに好きなものと関連付けて提示することで、「やれる」「できる」「思っていたより楽しかった」体験を1つ1つ積み上げて行くのです。
 私の言うことを信頼して何年も教室に通ってくだ来て下さった生徒プラス保護者さん達ですから、こちらも生徒の卒業への思い入れも強くなります。3月の最終週は保護者の方も泣く方もいて、つられて私も泣いて、本当に情緒不安定な1週間でした。卒業生とその保護者の皆様、ありがとうございました。

2018年3月8日木曜日

ドレミの歌に見る教え方

 所沢出張の帰りに所沢駅に立ち寄ると、新しい駅ビルが完成していました。所沢に突如「デデーン」と音を立てそうなほど立派に登場した駅ビル!ビルの壁には巨大スクリーン、ちょっと前まで寂しかったバス停の中のアイランドからは、プロジェクションマッピングが駅ビルに放映され、ディズニーっぽいミュージカル系の音楽が駅を通る人に向かって攻撃的にガンガン流れ、ド派手!そこがちょっと名古屋っぽい。ビルの中はおしゃれな店が立ち並ぶというのに、音楽のすごさで、なぜかパチンコ屋の雰囲気もある。しかもよく聞くとミュージカルの音楽は「すみやすいまち~」と所沢についてオリジナルミュージカルになっており、驚いた。それって・・・必要?そう言えば新所沢駅近くの焼き鳥屋は、所沢オリジナルの所沢音頭っぽい音楽がいつも流れている。いつか入ってみたいが、その音頭が頭から離れられなくなりそう。地元愛があふれる街ということか?まだまだ知らないところが多い町なことは確かだ。
 ミュージカルと言えば、子どもを連れてサウンドオブミュージックのコンサートに行ってきました。小さな劇場でしたが、どんなに小さくても、やっぱり文化に触れるのは良いですね。うちの家内はアメリカで特別支援の教員をしていましたが、サウンドオブミュージックの中でも特に有名な「ドレミの歌」は、教え方のツボが詰まっていると言う。音楽を忘れてしまった子どもたちに音楽の楽しさを再び教えるという設定でしたよね。そういう目で見たことはなかったが、よく見たらその通りだと気づかされました。
 どの辺が正しい教え方なのかと言うと、まずは1)教える内容を簡潔に紹介します(英語はABCで始まるように、音楽はドレミで始まる)。やはり紹介なしでは何を教えようとしているのか、意味が分かりませんね。しかしたくさん口で説明しすぎると逆に分かりづらくなってしまうので、簡潔に説明するところが重要ですね。次に、2)ドレミをかみ砕いて教えるために、「ドはドーナツのド(英語バージョンはちょと違うが)」と楽しい歌にして説明します。こういった工夫が、子どもを題材に対して興味を持たせる重要な努力になります。そして、3)その歌のお手本を歌って見せ、真似をさせます。最初は真似からです。次に4)子どもたちに自分達だけで歌わせます。徐々に先生がやるのではなく、自分達だけでも教えたことを実際に使うように仕向けていきます。もちろん、5)真似する段階でも、自分で歌わせる段階でも、できたらほめるということは重要になります。そして最後に、6)ドレミを覚えたら、それを応用させることも練習します。この場合、「ソー、ド―、ラー、ファー、ミー、ドー、レー」、などに発展させます。もちろんできたら、褒めます。
 こういう教え方は、実は科学的にも何度も証明されているような手法ですし、発達に特別な支援が必要な子どもの教育でも、毎日使うものです。。実は特別支援をやっていると、それにもう一つステップを足すことが必要になります。それは、「計画した教え方通りに子どもが成長できなければ、さらにスモールステップにして、かみ砕いたり分かりやすくしたり工夫する」ということです。特別な支援とは、「なんでわからないの?」と子どもを責めるのではなく、子どもにわかるように教えてあげることなのです。
 最近の学校教育では、先生が教える際にかみ砕いて分かりやすく教えようとしたり、練習させたり応用させたりする時間が(本当の教育をする時間が)無くなってしまっているような印象もあります。しかし、何十年も前のミュージカルに出てくるぐらいなのですから、(科学的な証明がある前から)いつの時代にも良い先生は良いやり方で教えていたのかと思います。こういった良い先生を世の中に出来るだけ増やしていくことが、私の目標でもあります。