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4月, 2015の投稿を表示しています

新学期:表情や表現の難しさ

 暑くなりましたね。2週間前には寒くて暖房をつけていたのに、突然冷房が必要なくらいになって、冬から春を吹っ飛ばして夏になった気分です。幸い暑さのせいか花粉症は大したことがなかったのですが、気温の変化に体がついていかないですね。  うちの教室の子供達も気候の変化に加えて、新たに保育園や療育の場所を始めた子どもが今年は比較的多いので、そういった子は新学期を迎えたストレスで荒れ気味です。新学期、小学生や中学生も大変ですが、保育園や幼稚園に初めて通うようになる子どもも大変ですよね。学校生活ということ自体を知らないまだ3歳とかの子どもに、「保育園に行ったらたくさん子どもがいるんだ」と口で説明しても、その意味はなかなか実感として伝わらないです。その頃を覚えていない私たち大人から、「こういうことが大変だよ。」と、子ども目線で教えてあげることもできないですし、保育園について行って「こういう時は、こうしたら良いよ。」と言ってあげることもできないのですから、多くの問題は子どもが自分で解決するしかありません。20人以上の子どもを一人の先生が見ているような環境で、一人一人のニーズに合わせた教育は難しいのが当然でしょう。今までだったら親が色々と問題を解決する場所に一緒に入られたのに、突然知らない場所で、色々な子どもと一緒に、なんとか生活しなければ行けないのですから、それは大きなストレスがかかるでしょう。  定型発達をしている子どもでも、大体最初の3ヶ月くらいは大変だということをよく耳にします。朝バスに乗るのを嫌がってお母さんにしがみついて泣き叫ぶのが2ヶ月くらい続いたなんて話もよくあります。自閉症などの障がいを持てば、さらにそのストレスが倍増することもあるかもしれません。というのも、自閉症や他の発達障がいは基本的にコミュニケーションの障がいを含む場合が多いので、自分で言いたいことをうまく伝えられなかったり、周りをしっかりと見ていないので何が起こっているのか理解できなかったり、人から言われたことをすぐに理解できなかったりするのですから、ますます混乱することは避けられないでしょう。しかし、自閉症のお母さん方から、「うちの子ってストレス感じてますかね?(ストレスなんてないんじゃないか?)」と言われることが結構あります。というのも、自閉症では特に、ストレスが表情や行動にうまく出ない場合が多くあり

良し悪しの判断:ルールの価値

 先日近くの銭湯に行ってきました。たまたま車で通りかかり、こんなところに昭和な感じの銭湯があったんですね。「⚪️⚪️温泉」と名前があり、銭湯ではなくもしかしたら本当の温泉なのかな?というところも温泉ファンの心をくすぐる。行ってみました。すごい人数のお年寄りがいました。洗うところがないくらい。しかもみんな洗い場のシャワーのところを席取りしているのかシャンプーなどを置いていて、空いていても何となくそこを使いづらい。突然来た新参者がちょっと入りづらい雰囲気。名古屋は温泉文化があるんでしょうか?こんなに普通の銭湯が混んでいるなんて。しかも年齢層がすごい。みんな70歳くらいでしょうか?せっかく来たのに、みんなあまりリラックせずに結構早く出て行くところも年寄りらしい。それくらいの人に囲まれると、なんだか自分も若返った気持ちになりますよね。そこにいる50台くらいの人も、だんだん「お兄ちゃん」に見えてきた。その「お兄ちゃん」サウナに入っていたんでしょうね。水風呂に入りました。しばらくすると、バシャーン、バシャーンとすごい音を立てて、水の中で体を移動させ、中の水を波立たせて水をこぼしてしまっています。一体何なんだ?びっくりしていると、いなくなりました。実は水中に頭ごと潜っていて、またザバーっと(アデランスのコマーシャルのように)大胆に水しぶきを上げて水から出てきています。私だって(人が見ている前で、しかもあんなに大胆に)お湯に潜ったりしません。やっぱり大人も異様な行動を取るんですよねえ。結局ただの怪しいオヤジですよねえ。「お兄ちゃんだと思ったのに・・・」。  こういう仕事をしていると、頻繁にお母さんがたから「物事の良し悪しがわかるようになって欲しいんです」ということを相談されます。子どもによっては、人の給食のご飯を取ってしまったり、人を叩いてしまったり、学校から逃げ出してしまったり、きっかけは色々ですが、大体問題行動から始まります。ただ、これは非常に難しい問題です。というのも、「物事の良し悪し」と簡単に言いますが、良し悪しを判断するという行動が取れるには色々なことができなければ行けないからです。まず第一は、それが理解できるか?ということです。りんごがみかんとは違うように、人の食べている物と、自分の食べているものが違うということがわかるか?それから、人の食べている物を取って(盗んで)

感覚過敏

 先日久しぶりに土曜日が晴れました。桜の時期は雨が何度も降ってすぐに寒くなってしまっていたので、久しぶりの気持ち良い陽気を楽しみに、川原の堤防にピクニックに出かけました。草が刈られて野原になった堤防には、タンポポが咲き乱れ、ベンチに寝転ぶ人もみられます。一角にはたくさんのチューリップが植えられて、とても気持ちよい日です。お弁当のサンドイッチを入れたビニール袋が思わず飛ばされてしまうような強い風の日でしたが、日差しを受けながらのお弁当は良いですね。今日はなんだか鼻水が出ます。私は花粉症にはなったことがないので、風邪を引いたものがまたぶり返したかな、と考えていました。マスクとポケットティッシュを余分に持ってそのまま買い物に出かけましたが、鼻水がどんどん出てきます。ティッシュが追いつかなくて、マスクの内側にまで鼻水がつき、なんとも醜い状況になってきました。やだなあ、と考えつつも地下鉄の駅を上がると今度はクシャミが何度も出ます。「もしかすると、これが花粉症か」と気づいた頃には、結局ポケットティッシュを2パック使い、外に出るとクシャミや咳が止まらない状態になり、頭痛までしてきました。「花粉症は、コップに水を注いで溢れ出てくるように、或る日突然なる」ということを聞いたことがありましたが、突然とはこれくらい突然なんですね。その日はクシャミと咳と鼻水でグッタリでした。花粉症の症状がこんなに辛いなんて、これからどうやって生きていけば良いんでしょう?薬は?専用マスクは?家内に聞くと、「別に慣れるよ。」という気のない返事でした。とほほ。次の日は絶対外に出ないぞと意気込んでいましたが、結局次の日からまた雨に戻り温度も下がり、花粉が飛ばなかったせいか、特に鼻水の出ない普通の1日に戻りました。もう二度と川原にピクニックに行きません。外にランニングもだめかなあ、ああ、ただでさえ人混みが苦手だったり、出不精だったりするのに、また行けない場所が増えてしまった。  アレルギーといえば、自閉症の子どもは感覚が過敏な子供が多いですよね。手にノリがついたり絵の具がついたりすることが嫌で工作がなかなかできない子どもや、手に水がつくのが嫌で手が洗えない子どもや、頭に水がつくのが嫌でシャワーが浴びられない子ども、大した音もないのに突然耳に手をあてて覆い隠す子ども、顔や頭に何かがくっつくのが嫌で被り物が全然できな