七夕と「おこだでませんように」:褒める力

  今週は七夕でしたね。年々夏が早くなり、今年の教室は七夕をすっ飛ばして7月からお祭りをテーマに活動を進めてますが、七夕の日にはやはり「おこだでませんように」の絵本は読みました。いい話ですよね。いつも先生からもお母さんからも叱られてばかりいる子どもの話で、情緒の問題で教室に来ている生徒には、だいたい毎年読んでいます。子どもの方も、特に叱られているシーンとか悪いことをしているシーンは、じーっと見てます。自分を重ね合わせたりしてるんでしょうか?何か感じるところがあるのでしょうか?そこまでは詳しくわかりません。

 ネタバラシになってはいけないですが、主人公の叱られる子供が「僕も本当はええ子って褒められたいんや」と言っているシーンがあります。私たちの教える発達障害の生徒は、素直な気持ちをそんな風に言ってくれる子は1人として見たことはありませんが、ほぼ全員の子供がそう感じてはいるなとは思います。すごく子どもの気持ちを捉えて代弁してくれている本だなと思います。なぜ褒められたいとこちらが推測するかというと、理由はやはり、褒められ続けてくるとできることが増えて、全然行動が変わってきたり、表情が変わってきたり、素直に嬉しそうな顔をしなくてもニヤリと笑うようになってきたり。褒めることの力によって、こんなに変わってきたかと、本当によく思からです。そうだよね。みんな褒められたいよね。

 自閉スペクトラム傾向のあるお子さんの行動特徴的は、犬よりも猫ですね。褒められて素直にぴょんぴょん喜んだり「もっと褒めて」と来るよりも、ちょっとニヤッとするだけだったりします。大好きなお母さんが来ても、ニコッとせずにしれっとしています。ママのことあんなに大好きなのに、素直になれよ。逆にこちらが注意を逸らして他ごとをすると寄ってきたりしますが、こういうの「ツンデレ」って言うんですかね。だから、「本当は褒められたい」と言う気持ちをわかってもらえないことが多いんです。一般の先生からすると、この子は本当に悪いことばかりして、なんで良いことして褒められたくないんだろう?と思ってしまうのも、分からなくはないです。

 でも療育の仕事をしていると、段々とそう言う特徴がわかってきます。素直になれないその感じ、ツンデレがたまらなく好きになってきます。どうやったらこの子を笑顔にできるか?どうやって褒めるところを見つけて、どうやってちょっとずつそれを伸ばしていけるか?それが私たちの仕事です。保護者からも「だって褒めるところが見つからない」と時々言われてしまいます。いや、無理にでも見つけるのです。本当にちょっとのことでも褒めるんです。「当たり前」のことなんて、何もない。それすごいねって、毎日一生懸命褒めるんです。この積み重ねが大きな違いを生んで来ます。

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