2013年1月3日木曜日

診断の少なさ理解の薄さ

 日本に帰って来て「どんな仕事してるの?」なんて聞かれ、よく自閉症や治療教育の話をします。ちょっとずつ感じられることですが、一般の人がほとんど自閉症のことを知らないという事実です。比較的新しく知られるようになった障害ですから、知らない人が多いというのは当然だと思います。ただし、知らない人の割合が大きすぎだと思います。ほとんどの人が言葉ぐらいは聞いたことあるとかテレビ等で見た事がある・聞いた事がある程度です。まあ、ぶっちゃけ「他人事」ですかね。「ああ、私の知り合いのー」とか、「そうなんだよ、教員やってるあの人のクラスにー」なんていう実際の話をきくことがあまりに少ない。もしかしたら、日本では(アメリカと比べて)本当に診断数が少ないんじゃないかと思い始めました。
 アメリカでは疾病予防管理センターが88人に一人という情報を出して社会的問題として取り上げられるようになりました。最近になっての急増です。88人に一人って、すごい数ですよ。ダウン症なんてレベルではないです。テレビで見たということではなくて、インフルエンザにかかるくらい本当に「普通に色んなところでよく見かける人たち」なのです。 日本では国のレベルでの統計データがまだ出てないんですかね。1000人に一人(アメリカの10分の1)とかアメリカ並みだとか、色んなところで色んな数字を見かけますが。私が人と話して得た印象からすれば、アメリカ並みっていうことはないように思われます。でも、診断数が少ないというのは、本当に自閉症が少ないということでは必ずしもありません。
 診断数には色々な要素が影響します。本来からすれば行動を観察して客観的に診断を出すのですが、診断があることから来る悪影響を考えて、診断を出し惜しむ傾向もあるかもしれません。発達に遅れがあるというのと、自閉症という診断があるというのとでは重みが違いますよね。差別なんかもあるかもしれません。親やその子供の将来を考えると、それだけの重みを家族の肩に乗せるだけの理由がなければ、診断を出さずに曖昧にしておく方がいいと考える医者もいるかもしれません。私は医者ではないのであくまで勝手な推測ですが。診断を出す一番の利点はその治療を行えるということです。治療教育は医者がよく目を通す医学系の研究ではなく心理系・教育系の研究雑誌にその効果が出ているので、医者からすればあまり馴染みのないものかもしれません。医者の立場から積極的に推薦するには、治療教育の効果を目の当たりにする必要があるかもしれません。さらに、福祉から治療教育が援助されない現状では、治療教育を推薦しても親がお金を出せないことも多いでしょう。診断する一番の利点に確実につながらないということであれば、じゃあ診断して何の得になったの?ということになってしまうかも知れないという事です。医者が診断を出さない、社会的な認知が広まらない、治療教育の必要性が広まらない、専門家が育たない、という悪循環になってしまっていると思います。自閉症の診断がないからと言って、問題がなくなった訳ではないんですけどね。積極的に診断して問題を直視する必要があると私は思います。治療教育の効果も私はよく知っていますしね。
 そいうった悪循環を変えるために、日本に治療教育の効果を知ってもらうために、私も日本に帰って来たわけです。ちなみに、実は日本で健康保険を使ってABAの治療教育が出来る所があるって知ってます?沖縄等のアメリカ軍の基地内です(法律上アメリカ?)。軍の人の使う健康保険を使って治療教育できるんです。同じ所に住んでいながら、親からすれば本当に必要なものが日本人は手には入らないって寂しいじゃないですか。まあ焦って何とかなる問題でもないので、地道にぼちぼちやらせていただきます。

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