性格タイプと失敗しやすい問題1:「ほっとけない」タイプ

 お久しぶりです。何ヶ月かぶりのブログ再開です。
 名古屋で仕事を面始めてから約1年になり、おかげさまで順調にお客様も増えてきました。なんだか突然忙しくなったような感じで「わたわた」してましたが、やっと気持ちが落ち着いて来ました。突然ですが、最近テレビなどでも紹介された「あべこべ体操」って知ってます?普段使わない様な筋肉の動かし方(体の部分をあべこべに動かす)をすることで、肩こりをほぐすんだそうです。私は結構「健康系」のもの好きなんですよ。テレビを見ながらやってみたのですが、あべこべにするって、本当に難しいですよね。テレビで見本を見ても体操の真似が中々できなくて、イライラする。新しい仕事を始めるって、そんな感じですかね。今まで使ってない筋肉を使うというか、今までやったことのない生活習慣のやり方で、実質上の「忙しさ」というよりも生活習慣の変化とか気持ちの切り替えに体がなかなかついて行っていなくて、必要以上にぐったりする印象です。加えてこの何ヶ月かで引っ越しもしたり、私的な人間関係でも色々あったりで、大変でした。まあブログネタも色々あったかな?またボチボチですが、これからもブログでお知らせしていきますね。よろしくお願いします。
 ちなみに皆さん背中で両手を(片方を肩の上から、もう片方を肩の下から曲げて)合わせられます?テレビでは「あべこべ体操」をした人が、体操終わった後でこれまで触れなかったのに触れるようになった!っと言っていましたが、私は全然でした。どういうことだ?誰か効果があった人あったら教えて下さい。
 今回は、私が臨床で観察して来た子ども達の性格のタイプと、その子ども達の陥り易い問題等を取り上げます。第1弾は、「ほっとけないタイプ」または「省エネタイプ」と読んでいます。 これは、自分のエネルギー(労力)をなるべく使わないで生活しようとするタイプ。困ったことがあっても、できるだけ自分から積極的に行動したりせずに、「困ったなあ」と困ったまま待つことが多く、そのため周りの人が「ほっとけない」とつい思って手伝ってしまうため、周囲から色々とやって貰うことが上手です。こういった人は、世の中に必要ですよね。人の世話を見たい人はいくらでもいますし、逆に体を動かして精力的に行動する人よりも「もてる」タイプかもしれません。自閉症に関わらずよくある性格のタイプだと思いますが、発達障害とこの性格タイプが重なるとちょっとというか、色々不都合が出て来ます。
 幼い子どもで、発達障害があり、「ほっとけない」タイプ、この3つが重なるとどうなるか?たまらなく「かわいい」のです。自分で問題解決しないので、困ったまま悲しそうな顔をしています。ちょっと泣いてみたりします。やってあげると、にこにこしています。親がやってあげない訳には行かないでしょう?気づいた頃には結局親がすべてやってしまっているので、これはこれで上手いスキルかもしれない。親も「この子はできないから」なんて文句を言いながら、でもまんざらでもなさそうです。やはり、子どもの面倒を見るのはある意味親の幸せですからね。上手に出来ない子って本当にかわいいんです。そのため、子どもはすべてやらなくてもスルーしてしまいます。着替えや片付け、あいさつ等を含むコミュニケーション、さらに遊びや時には食事まですべて文字通り「お膳立て」してもらって生活が済むので、その副作用として学ぶ機会が格段に減ってしまっている状態にある場合が多いのです。「遊び」をやってもらうって、どんな感じか想像できますか?自分でオモチャを取りに行ったりして積極的に遊ばず、椅子に座ってぼんやりしたり、カーペットに寝ころんでグダグダしたり、ということです。「もう、この子はいつもこんな感じなんですよ」と言いながら親はオモチャを持って来てあげたり、本を読んであげたり、結局何もしない方が色々な物が向こうからやってくる仕組み。
 このタイプは、色々自分からやる楽しみを経験させてあげる必要があります。自分から自発的に動いて何か楽しいことがある(強化といいます)経験を積ませる、もっと言えば、ぼんやり待っているより自分から働きかけた方が早いし、楽しかったという経験が何度もなければいけないのです。ただし言うのは簡単、こういった経験させるのは忍耐力が必要です。「待ち」の勝負になるからです。例えば、靴箱に靴を入れる。靴ぐらい入れられそうなもんじゃないですか?でも、子どもが自分から靴を入れるのを待って放っておけば10分でも20分でも玄関で中に入らずに待っていることだってあります。玄関で20分はつらい!しかも、可哀想な感じで悲しげに泣く訳です。「玄関で泣いている子どもを20分も待たせて入れてあげないなんて、何てひどい親なの?」といった感じになってしまいます。でもこちらがやってあげると、子どもからすれば「やはり待っていた方が得になる」訳で逆効果になります。待ってでもやらせた方が、長期的に見ればずいぶん時間の短縮になります。幼い子どもの場合、靴を下駄箱に入れることを完全に自発でこなすようになるだけで何ヶ月もかかる場合もよくあります。しかし色々自分でやらせて行くと、何となく印象が変わって来ます。動きが活発に早くなり、ぼんやりしていた子どもが何となく楽しげになります。「こうしたい」「ああしたい」という自我も強くなるので逆に面倒かもしれません。でも、それがもっと子どもらしいでしょう?
 私の所に来ると、「やってあげないで下さい。」という所から始まります。そう言うと、大抵「え?」っというような表情をされます。 やってあげていることにも大抵気づいていません。「だってこの子はできないから、やってあげることが当たり前になっていたのです」ということでしょう。でも、本当は「出来ない子」ではなくて、「やろうとしない子」なのです。出来ないのではなく、ただの「省エネ」なんです。私はお母さん方に、「この子が自分でできます。」といって手助けしないようにお願いします。最初は大抵泣くところから始まります。「ええ?荷物持つってどういうこと?」「ええ?靴片付けるって何?それって、お母さんが持つ物じゃないの?」ということです。怖い怖い。でも、もっと怖いのは将来です。家庭から学校等に出た場合、先生や知らない人から見ると、何もしなくてぼんやりしている子どもの状態から「この子はできない」と瞬間的に判断されて、すべてやってもらってしまう場合が多いのです。集団場面では、どうしても色々なことが常に起こっているので、なるべく手間がかからない方がに流れ易いので、先生がやった方が逆に時間が省けます。本当はできるはずのことをやらないということは、本当は受けるべきはず教育の機会がどんどん失われるということです。早いうちから、自分でやらせる訓練はしていきましょう。

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