2013年4月13日土曜日

予測のつきやすい生活に変える

 今朝早くから大地震の警報がありましたね。日本に帰って来て携帯があんな音を立てたのは初めてで、寝ている所をたたき起こされた私も「あれ?アメリカとのミーティング忘れていた?でも携帯からの着信音の種類が電話やFaceTime、アラームとも違うし・・・」と、なんだか分からないなりにも尋常でない着信音にちょっとビビりました。でも「大地震だから注意」と言われても、何も出来ないですよね。「えっ?地震?」ってぼんやり頭で思いながら何もすることが思いつかない。一応テレビだけつけてみました。淡路島で最高震度になっていて、前回の阪神淡路島の地震を経験した人はさぞかし怖かったでしょう。私は大地震を経験していないのでこんなにぼんやりしていられますが、過去に経験された人はその時の気持ちを鮮明の思い出したのではないでしょうか。地震ってこう考えると本当に予測がつきづらいだけあって、怖いですよね。台風などはテレビ等で徐々に発達する様子がわかるけれど、地震だけはいつ起こるかわからない。今回のように寝ている時に来る場合もある。
 自閉症の子どもたちって、見ていると本当に「いつ何が起こるかわからない。」生活をしていると思います。というのも、もちろん人によって違いはあるのですが、以前「当たり前の表示に気づく」で紹介したとおり、見なければ行けない所に目が向いていないために、起こりそうな事故を予測できない事が多い。例えばすぐ隣や後ろに人がいる状況だと、人がいると普通気づきますよね。自閉症の子は「人がいる」という認識がないままになってしまうのです。ですから直接ぶつからないにしても、突然その人の前を横切ってしまったり、リュックを背負ったまま振り返ってリュックで相手をこすったり、相手からすれば「おっとっと。何だこの子は。」となるのが当然です。子どもも突然注意されるので、びっくりしてしまう。でも、その人の存在すらに気づいていないのだから、本人からは予測しようがない。
 言葉による説明も基本的に難しいことが多い。もちろん言葉が話せいない子は、これから何が起こるかが口で説明してあげられないため、常にその子にとっては将来何が起こるかわからない状態にあると思います。考えるだけでも不安な生活だ。ただしアスペルガーや高機能の自閉症の子で言葉が話せたとしても、口での説明だけではなかなか意味が汲み取れなかったりします。道順を教えてもらう際に、地図を頭に思い浮かべると分かりやすい場合があるじゃないですか。私は道路や交差点の名前だけを言われても全然覚えられないし、言っている言葉は分かっても道順はわからない。東京に行った時に、「ケイヒン線に乗って・・・」と説明されて「???」という顔をしていたら、「東京の京と横浜の浜で京浜(ケイヒン)」って言われて初めて、「ああ、東京と横浜を結ぶ線か。」と地図を頭に思い浮かべて納得した記憶があります。ちなみに今でも道順を説明されると、「ケイヒン線」のように言葉だけが頭の中をするっと流れて行ってしまって分からないことが多いので、適当に笑って分かったふりをします。だって何度も質問するのは恥ずかしいし、同じ説明を繰り返されても分からないんだから仕方ないですよ。不安なまま適当に他の人をみたりしながら道順をみつける他ないのです。本当にナビやグーグルマップがある時代で良かった。地図のような視覚じゃないとわからないんですよ、言葉で説明されても。アスペの子もそういった状況かなと、想像します。例えば学校で先生が口頭で説明しても、言葉だけが頭を通り過ぎる。普通の子は説明が分からない時も他の子を見ながら真似をしたりして何とか課題を達成できるけれど、他の人を観察できない子は本当に取り残されてしまい、後で先生に一人だけ問題児扱いされてしまう。後から「だから言ったでしょ。」「先生の言う事聞かない。」といつも言われるのは本当につらいでしょう。
 こういった予測のつかない、突然いつ人から叱られるかわからない状況で毎日生活していれば、パニックに陥りやすいとか、人との付き合い自体に不信を感じたりしてしまったり、学習自体を嫌がってしまったりするのも、理解しやすいかもしれません。療育をする際には、なるべく視覚情報を使ったり、同じ事を何度も何度も繰り返したりして予測しやすい状況を作り上げます。そうすると、子どもの雰囲気が変わってきます。例えば、予定表のような物を見せて視覚情報と一緒に毎日予定を確認させるやると、何が起こるのか予測しやすくなって落ち着いてきます。
 人からオモチャやお菓子を奪い取ってしまう子どもに、「取っちゃダメ」って口で説明しても行動は改善されません。毎日予測がつかない状況で生活している子どもにとっては、今食べなければいつ食べられるのか分からないから奪わなければいけない。毎日ちゃんと要求したものが貰えることを経験させてあげる事で、お菓子やオモチャは焦らなくてもちゃんと自分の所に来るという経験が積めれば、急いで奪い取ろうとしたり、棚によじ上ってお菓子を奪取したりする行動が減って、ゆったりと行動するようになります。もちろんお菓子は要求されるといつも与えるというわけにはいかないので、いつ貰えていつ貰えないのか予測しやすい状態を作りあげる(毎日の習慣にする)と良いでしょう。「取っちゃダメ」が理解できたのではなくて、「奪い取る、盗み取る必要がなくなった」という方向性です。言葉が簡単に理解出来る、周りの状況が見えている大人からすればすぐに予測ができる状況でも、その子どもからすれば予測ができない状況になってしまっている場合が多いのです。かんしゃくやパニックの多い子どもは、基本的に生活において「こうなれば、こうなる」「この時間にはこうする」という予測がつかない状況になっている場合が多く、日常生活において予測ができるということの重要さが伺えます。

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