2013年3月31日日曜日

社交スキルを周り全体が教える

 名古屋でアイズサポートという療育支援の会社が、3周年記念講演を行われるという事で、昨日土曜日に参加させて頂きました。実は地元の中日新聞でも取り上げられておりまして、名古屋でも色々療育支援の会社が育ってきていて、本当に嬉しい事です。親からしたらやっぱり療育も選択肢がないと。
 金沢大学名誉教授の久野能弘先生も午後から発表されていました。失礼なこと言いますが、久野先生のインパクトに圧倒させられましたね。これが面白い、面白い。面白すぎてついお昼ご飯までついご一緒させて頂いたんです。毒舌って言うんですかね。痛烈な批判も大きな声で実名を出してガンガン言ってしまう。「あれ(ある有名なABAの療育家のサービス)やっとったら、子供がダメになるぞ。」とか、「臨床心理士のの○○知ってるか(たくさん本も執筆されている超有名な方です)?あれだけ嘘がつければそりゃ本も売れるわ。・・・あれの患者さん死んだよ。人を助けるより殺した方が多いんちゃうか。」とか、他にも次から次へと敵を作ってらっしゃる。さらに、「だから俺は不適応を起こしてクビになって・・・」なんて言われて、生徒さんから「(クビじゃなくて)退官されたんですって」と。やはりこういった他者批判から自己卑下のコメントまで含めて、久野先生ならではの会話のサービスというか、ボケと突っ込みのボケということでしょうかね。聞き手が突っ込むことが期待されている。この辺関西育ちじゃないと難しいですよね。私はぼんやりしている系なので、「そうじゃないですよ。」とか否定したり突っ込まなきゃ行けないところでも「はあ。そうですね。」なんて同意してしまったりして、聞き手スキルというか適切な社交スキルが育っていない。せっかくの会話を膨らますことができてない。「すみません。うなずく所じゃないですね。」と言うと、「日本ではうなずいとったら生きておれへんぞ。」と、ぴしゃり。やっぱり頭も切れる。先生は毎日ブログも書かれているようで、面白いので読んでみて下さい。
 アイズサポートの代表の伊藤さんの講演も大変丁寧で良かったですよ。4年目に突入ということですが、一つ一つ丁寧にケースを考えておられるようで、真摯で真面目な姿勢が印象的でした。こういった療育の場が本当に増えると良いと思います。
 ところで社交スキルと言えば、お客さんで高機能の方の就労支援、ジョブコーチをされている方からの質問で、面白いものがありました。「緊張すると笑ってしまう人がいる。会社の上司や同僚にも、障害があって笑ってしまっていることをきちんと説明しておいてあるが、頭では理解しているのと、実際にそれを経験するのは違い、笑われるとストレスが溜まってしまう。」ということでした。そうですね。日本では一般に我慢する文化というか、多少のストレスでは口に出さずに我慢してしまう良い人が多いです。逆に言えば、ストレスを徐々に溜め込んで後で切れてしまう人(健常の人)もいますよね。こういう場合には、「障害があるから、緊張すると笑ってしまうんだよ。」ということだけではなく、では笑ってしまった場合に上司や同僚としてどうやって接したら(教えたら)良いのかまで説明し、見本を見せると良いでしょう。
 具体的にはその人によって違うので、質問に出られた方にはどういった接し方が一番良いのかは分かりませんが、例えば「今笑っているの分かる?今は注意している時だから、笑っても良い時?じゃあどういう表情が適切かな?そうそう。やればできる。じゃあやり直してみよっか。」などと、上司や同僚の前で、間違いが起こった時点で、社交スキルの練習をするわけです。(人前で注意されることに敏感なクライエントさんもいるので、人前で恥をかかせないように、批判的な言い方にならないように注意してください。それから、本人との信頼関係が育っていない場合には難しいので注意してください。強化を繰り返して行く事で信頼関係は築けます。)こうやって周囲に社交スキルの教え方を(プロンプトや強化の仕方)教えることで、ストレスを我慢している上司や同僚の方には、「ああ、こうすれば良いのか。」というやり方がわかります。何度も見本をみせると良いです。
 意外ですが、上司や同僚のスキルの上達も重要なのです(他の社員の教育にも役立ったりして)。もちろん本人の社交スキルが上がる事も大切なのですが、「緊張すると笑ってしまう」という時点で、他にも社交スキルの欠如で他の人にストレスをかけている場面が色々とあるはずです。そんなに簡単に社交スキルが全般に改善することは稀なので、逆に周りがどうすれば上手くストレスを溜めずに、本人の行動を直させるか覚える事も重要です。口で「障害がある」と説明するのでは足りませんので、どうするのか具体的に見本を見せることが必要でしょう。

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