2013年7月10日水曜日

ABA: 自発訓練(プロの秘密)

 突然暑くなりましたね。名古屋では38度とからしいですよね。私は名古屋を出てから20年くらい経って久しぶりの夏なのですが、20年前とは明らかに気候が違いますね。昔38度なんてなかったですから。この温度にこの湿度。不快極まりない。昼間は絶対にクーラーから出られませんね。でも夜も辛い。昨夜クーラーにタイマーをつけて寝てたんですが、当然ですがタイマーが切れると暑さで目覚めました。ちょっと窓を開けて寝ようと思って電気をつけて、窓を開けて、電気を切ってベッドまで戻った時点で、これだけの運動で汗だくになりました。それも全力疾走でもしてたんじゃないかと思うぐらいの汗です。結局またクーラーをつけて寝ました。夜の暑さを甘く見てましたね。テレビを見ていたら、原発の問題でコメンテーターが、「夏も打ち水をしたりすることで涼しくしてクーラーを控えめにしたり、電力の省エネしよう」なんて言ってましたが、日本に住んでいた事があるんだろうか、この人は。年寄りがクーラーを省エネして倒れたら責任取れるんだろうか。「がまんする」ということを当たり前のように人に期待するのはちょっとどうかと思います。私は我慢しません。人にも期待しません。
 さて前回までディスクリートトライアル(DTT)と、自然環境でのトレーニング(NET)について話しましたが、今回私がやっている事についてちょっと紹介します。私は自発訓練と呼んでいます。ディスクリートトライアルをしていくと、子どもに「指示に従う」ということを上手く教えられます。ただし、子どもが自分から動機を持って自分で行動するという自発性は教えられません。ディスクリートだと訓練は指示を出した時から始まるので、当たり前と言えば当たり前ですよね。自発訓練は逆に、いつ何をするのか子どもが決定する状態を作るので、指示を出さない訳です。「ええ?」と思いませんか?子どもが正しい行動をするのを待っていては、教えづらい。結局子どもが何か悪い行動をしてから、「こうしなさい。」とプロンプトで矯正する感じになってしまいやすい。NETを唱える教科書等ではここの具体的な例がないので、どうしたら良いのか分からない。NETの一つであるマンドトレーニングなんかをすると、自発性をかなり教えられます。でも、通常のマンドトレーニングだけでは、「ちょうだい」とか、物や活動を要求することだけに終止してしまいがちですよね。「どうやったら人を喜ばせるか」「相手の注目・承認が得たい」という要求が難しいんです。
 私はどういう時に人を見てなければいけないのか、どうすれば自分から働きかけて人から承認を得られるのか、教えます。例えばお菓子を食べている時、「ああ、○○ちゃん、お菓子食べてる。先生もお腹すいた。」指示に従うことに慣れている子どもは、ここで変な顔して私を見ます。「お菓子せんせいにもちょうだい。」と言えばくれるのに、「お腹すいた。」では動けないのです。例えば子どもがミニカーを選ぶとします。私は、「ああ、先生つまんない。一緒に遊びたいなあ。」と言います。これでダメなら、手まで出してみます。手にミニカーをくれたら、「やったー。先生もミニカーがあって一緒に遊べる。うれしい。」と言います。ここで大切なのは、セラピーする側が待つこと。指示を出している訳ではないので、急いで子どもがミニカーを先生に与える事が目的ではないのです。自分で観察して気づくというところが目的です。子どもによっては完全無視なので、ちょっと顔の前に手を出してみたり、ちょっと手を取って顔を見てもう一回言ったり、3分でも5分でも良いから待ちます。「先生話しているから、答えてくれると嬉しいな。」なんて言ったりもします。大体の子どもは、「質問に答える」はできても、「話しかけに反応する」はできないことが多いので、最初はすっごい時間がかかります。これで良いんです。その場では時間がかかっても、次の日は気づいてくれたり、3ヶ月後に突然「ああ、そういうことか。」と分かるようになったり、色々ですが、「相手を観察する。」「相手の話しかけに反応する。」ということを、指示に従うのではなく自発で行う事を教えなければいけません。
 私が持つ大きな目標としては、子どもが「物を要求する」のではなく、人との関わりをいかに要求するかに焦点を当てます。自閉症の子って基本的に人との関わりに無関心っぽいですよね。そういうことももちろん多々ありますが、私は意外とそうとも限らないと思ってます。明らかなのは、彼らはどうやったら相手を楽しませるか、指示に従う以外に、どうやったら相手から「すごいねえ。」と言ってもらえるのか知らない。それも教える事ができるんです。子どもがおやつを食べ終わったら、「先生はきれいなテーブルが好き。」「おやつ食べ終わったら、どうすれば良い?」何て言います。「片付けなさい」とは言わない。やらなければ行けない事を教えてしまってはいけないんです。時間がかかっても、自分で見つけ出すことを教えれば、「ああ、すごい!テーブルきれいにしてくれた。」と喜んであげる。常に一緒にいる人を意識して、どうすれば喜ばせられるのかを見つける作業を教えてあげるのです。順番を待つゲームなんかも良いですよね。だれの順番か自分で相手を見ていないとわからない。自分から勝手に最初に番を取るのではなく、じゃんけんで決める。こういう行動をターゲットにする訳です。遊びを完了させることが目的ではないので、焦らずに時間をかけて「相手を気遣える」ことをヒントを出したり、褒めたりしながら教えていきます。
 もっと言えば、「相手を気遣う」だけでなく、「相手から面白いと思われる行動」も教えます。突然わざと転んだり、おかしな行動を取ったり、「ボケ」というか「おふざけ」的な行動も見本で見せます。「お母さん」と呼ばなくたって、お母さんの「気を引く」「笑わせる」ことはいくらでも出来るけれど、教えなければわからない。分からないと、気を引きたい時にはお母さんを叩いたりしてしまう問題行動にもつながります。だって、「お母さん」って呼ぶと「何?」って返事されて、結局次に何したら良いか分からなくなってしまうでしょう?でも、「おふざけ」をすれば笑って見てくれるだけで、「何?」って聞き返されないから、子どもからすると良いんです。
 ちなみに実際に研究を出して「これがディスクリートやNETよりも有効である」と証明したものではありません。NETの一部でしょうね。あくまで、これまでに研究されていることで足らない部分について、私の臨床の経験や、うまいセラピストさんを観察して得られたものです。次はもうちょっと突っ込んで理論分析も話しますね。

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