NHKで紹介された自閉症

 ちょっと遅れますが、5月6日に「自閉スペクトラム症 100万人 ~未来を拓く最新研究~」という題名でNHKでも自閉症診断の最新研究が取り上げられましたね。やはり何と言ってもNHKへの日本国民への影響を大きいですから、本当にこう言った企画が頻繁に取り上げられて欲しいです。
 番組は診断の研究の最前線に焦点が置かれた番組構成になっていたので、診断の後の治療教育については比較的簡単に紹介された程度でした。紹介された部分も、最新のロボット機器を使った教育介入や最近話題になったオキシトシンの研究などで、話題性というか、「皆の目や興味を引くもの」が中心でした。オキシトシンやロボットは最近の話で、まだ実際に自閉症診断を受けた人への療育・介入として使えるレベルまで全然行っていないのに、そればかりが紹介されて、ABAを代表とする「効果が実証されているもの」や「今までにすでに役に立つやり方が分かっていること」ことは取りあげられないのは残念でした。
 早期発見は最近ようやく皆さん重要性に気づき始めた印象もありますが、その後の早期療育にも同等の重要性があり、研究だけでなく実際の教育現場に力のある専門家のチームを送り込む必要があることは、まだ浸透していないようです。ABAだけでなく、専門性のある特別支援の教師、言語療法士、作業療法士など、様々な角度から適切な教育を受けられる体制をこれから作り上げていく必要があるのです。
 

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