自閉症から見る「関わることの意味」:テレビ番組にて

 前回のブログで少しだけ「テレビの取材がきて・・・」と紹介しましたが、3月21日(月曜日)の夜7時から11時に放映される、TBSテレビ60周年特別企画「生命38億年スペシャル 人間とは何だ・・・!?」と言うテレビ番組で、私が名古屋の教室で療育をしている様子が取り上げられることになりました。番組についての詳しい情報は、番組のウェブサイトhttp://www.tbs.co.jp/ningentoha2016/を見てください。私も実際にウェブサイトに行って「放送内容はこちら」のボタンを押してみたら、なんと私の写真もすでに載っていました。「いつのまに・・・。」まあ、そんなもんですねえ。・・・と言うことは、多分出るのでしょう。
 私はテレビの取材を受けるのが初めてなんです。本当に時間のかかる大変な作業ですね。よくテレビに出ておられる先生もおられますが(テレビの製作側の方も含めて)、「よくやるなあ」と言う感想です。勉強になりました。去年の秋頃から数回に渡りミーティングがあって、その後カメラさんが来て3回にわたって撮影したので、5−6ヶ月以上に渡る期間がありました。こういった長い取材時間を取っても、実際に放映されるものは撮影したものの10分の1にもならないんじゃないですかね。編集の段階で随分カットされてしまうようです。全くもったいない。また、カットして短くなった分、一般に分かりやすくはなったのでしょうが、誤解される部分もあるでしょうし、どうしてもこちらが「ぜひ伝わって欲しい」と思っていたような細かな内容は伝わりにくくなりますよね。それがテレビと言うものと言われれば、それまでなんですけどね。
 もちろんテレビ番組自体はゴールデンタイムで放映されることもあって、「自閉症の番組」と言う堅苦しいものではなく、「人はなぜモメるのか?」という一般に興味がわくようなことを対象としています。実は私もそこが気に入ってたんですよ。「自閉症」をテーマにするとあまりに真面目になって、重くなりがちですよね。でも、面白くなければやっぱり視聴者は見ませんからね。また、松たか子さんと安住紳一郎さんが司会をされるという番組というのも、なんとなく「真面目にやってそうな」印象じゃありません?実はこの特番はシリーズもので、私もこのシリーズは見たことがないのですが、聞くところによるとそれなりに定評があるらしいのです。
 ただ、「人はなぜモメるのか?」と言うテーマに繋げなければいけない分、面白い番組に仕上げなければいけない分、そして「自閉症やその療育を紹介したい」番組ではない分、どうしても丁寧に自閉症やその療育の内容を紹介するには限界があるでしょう。私も放映内容について書面での説明は受けて、それを修正して欲しい内容もできるだけの範囲で伝えましたが、もしかすると、見られた方からすると、ええ?これがABAなの?こんなことやって、こんな風になるの?など、誤解を招くような印象に映ってしまう可能性もあるかと思います。(実際の仕上がりを見ていないので何とも言えませんが。)
 「誤解を生む情報の提供はやめて欲しい」と言われる方も多いのですが、私は「誤解も含めて、まず知ってもらう」ことからだと思います。「自閉症の子も変わることができる」と一般の人にまず知ってもらいたいのです。どの分野・領域にも誤解はつきものです。誤解を恐れずに、今回は皆様に「自閉症や療育についての情報を提供する」と言うよりは、一般の方に「これからもっと知りたい」と思ってもらうきっかけとして、暖かい目で見てください。
 撮影や編集の方お疲れ様です。みなさん見てくださいね。

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