2016年1月4日月曜日

言葉の使い方を教える

 あけましておめでとうございます。出身地である名古屋に帰り、日本で療育を始めて丸3年経ちました。教室に療育に来てくださる方、講演会に来てくださる方、いつもブログを読んでくださる方、ありがとうございます。2016年もよろしくお願いします。
 昨年はどうでしたか?お陰様で私自身は公私ともに充実した一年を過ごせました。仕事面では昨年から講演会も本格的に始め、教室ではこれまで教室に通ってくださった生徒さん達が順調に成長しているところを見ることができました。個人としては子供も生まれ、今日は笑っただの、泣き止まないだの、首が座っただのと一喜一憂し、泣き止まないから一緒に階段を上ったり降りたり、歌を歌ったり絵本を読んだり。気がつけば日々は去り、手入れのされない頭は薄くなり白髪も増え、そんな時に限ってテレビの取材があったりする。ああ、もうちょっと可愛かった頃に撮ってくれれば良かったのに・・・。人生そんなもんですね。(「可愛かった」で引っかかった?そうです。その通りです。誰が何と言おうと昔は「可愛かった」ことにしておこう。)テレビについては、また放送されそうになったら報告しますね。実は全部カットされたりして・・・。
 ちなみに2回目の講演会を2月7日の日曜日に、場所は変えますが再度東京で行うことになりました。今度は言語行動(Verbal BehaviorもしくはVB)をテーマに行います。詳しくはwww.kojitakeshima.comをごらんください。
 ということで、言葉を教えることについて今回は少し話します。通常学級でも「国語」は高校まで主要科目になっていますよね。大学では「コミュニケーション」なども授業で取ることができます。話すこと、そして他人と意思疎通を図るということは、一生学び続けるといっても良いでしょう。それだけ人にとって重要で、またそれだけ難しいということでもあると思います。
 これまでの言語の理論は基本的に言語の意味について、そして「名詞」「動詞」「副詞」などの文法や構成についてが中心に語られてきました。行動分析(ABA)では「言語行動」というちょっと違った観点からの分析を使います。具体例を言えば、「その時計良いね。」という言葉があると、これまでの通常の言語分析の観点からすれば、名詞があって形容詞があってという構成を分析するかもしれません。しかし、行動分析における言語の分析では、その言葉を発する話し手にとって、話を聞く相手の喜ぶ顔が見たかったのか、実際には「その時計欲しいよ」という隠された要求だったのか、という言葉の効果によって言葉を分類しようとするものです。言語を使う人から見た、その言葉の持つ機能に中心を置いた分析になるからです。
 発達に遅れのある子どもにとっては、過去には「どうせ話せるようにはならないのだから」「知的な遅れがあるのだから仕方ない」と、もうこれ以上言語を教えようとする意図さえ諦められてしまう場合が多かったと思います。しかし、今では発達に遅れがあっても言語行動の分析を使った研究を元に、言葉を上達させることができるということはわかってきています。もちろん話せない子どもが突然普通に話せるようになるという夢のようなことではないのですが、私たちが英語を勉強して行くとちょっとずつ話せるようになるように、工夫して教えて行くと、やはり確実にコミュニケーションの力は上達はします。「コミュニケーション」と言ったのは、必ずしも口頭で「話す」ことだけにとらわずに、色んな手段を考慮しながら話し手として相手に意思を伝えることに焦点を置くほうがずっと効率的だからです。英語を学ぶ時のように、一見地味な成長かもしれませんが、それを継続することによって積み上がった長期間の成果は大きいでしょう。
 この長期間の成果を生み出すには、家庭での親の支援・教育だけでは難しいことも多いと思います。今後できれば公的機関、特別支援学校や発達支援事業などいろいろな所で、行動分析だけでなく言語療法士を含む専門的な知識を学んだ専門家がチームになって言語を教えてくれる場面が増えて行くことを切に望みます。

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