兄弟両方自閉症

 ちょっと深刻な話をしますね。子供が一人自閉症だと診断されたとしますね、次の子供を産んだ時に次の子供も自閉症と診断される確率って、どれくらいだと思います?
 普通に自閉症と診断されるよりも格段に大きいんです。本当に残念だと思います。私は診断の専門家ではないので詳しいところは分かりませんが、治療教育をしていて兄弟両方とも診断を受けるという家庭は結構ありました。ただし、親の方も二人目の子供は始めから自閉症の可能性を疑ってかかる事が多いので、一人目の子供よりも格段に準備ができている事が多いのです。例えば早いうちから医者等とこまめに足を運んだり、公共の福祉をなるべく利用したり、療育を比較的早期から取り入れたり、ということです。ちなみに私の経験からすれば(あくまで経験からですが)、こういった親の準備の違いによって、二人目の方が将来的にも社会適応が良いように思われます。早期教育が半く開始できるとすれば、結果に大きな違いが出るのも当然でしょう。
 例えば、二人とも症状が比較的軽い場合(一般に高機能と言われる場合です)、両方とも普通学級入学を考慮するが、お兄さんの方は問題行動が多すぎて普通学級に入れないが弟は入れるということもあります。二人とも症状が比較的重い場合には、学校が終わってお母さんが迎えに来ると、弟はにっこり笑ってお母さんに向かうのに、お姉さんは視線を合わせずに手だけを出して一緒に歩き出す(お母さんが分からないということではないが、喜びを表現出来ない)、という違いですかね。もちろん持って生まれた可能性まで同じという事ではないので、療育を早く始めたに関わらず二人目の方が圧倒的に症状が重いような例外もあります。
 「もう一人が自閉症に診断されただけで十分だから」、 といって子供を作るのを止めようとする両親もあります。これは仕方がないでしょう。つい最近だと思いますが、父親の年齢が高いと子供が自閉症になる確率も増えるという報告もありましたよね(他の病気のリスクも当然高いのですが)。あまり確率を気にしすぎるのもなんだと思いますが。診断があろうとも確率が高かろうとも、ばんばん産んで、悩みを持ちながらも生活を楽しんでいるような家庭もたくさんあります。人生それぞれですね。

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