自閉症の治癒、回復について。その3
前回からの続きです。私の教室で、3人自閉症やPDD-NOSと診断された子供が、その後そうではなくなったという話までしました。 よく言われるんですが、「本当は診断ミスで、自閉症なんか始めからなかったんじゃないの?」という疑問ですよね。私のウェブサイトにも書きましたが、こればっかりは後から確認が取れるものではありません。実は親の間でも、お父さんは「やっぱり自閉症じゃなかったんじゃないの?」と言いはなって、お母さんは「この子の何を見て来たの?明らかにおかしくなければ始めから苦労してないじゃないの。自分は療育してないからって、そんなこと言うなんて信じられない!」とキレる場合もあります。療育をしている側でも、子供と一緒に毎日付き合ってると、元々どんな症状だったかだんだん忘れてくるのが普通です。ただし、療育の記録を見て振り返ってみると、例にあげた3人の場合は、「甘やかし」では説明切れない自閉的行動や明らかな発達の遅れが記録されています。 アメリカでは診断を急ぐ傾向にあるので、診断ミスもある程度あるでしょう。どうして急ぐかというと、もし本当は自閉症なのに診断を出さず、療育の一番効果が出やすい時期を逃してしまっては、取り返しがつかないからです。診断を出さない事から失われたものへの責任取れますか?取れないんです。逆に、自閉症でない子供に診断を出してしまった場合の方が、悪影響が低いと考えられるからです。というのも、療育を受けて悪影響がある訳ではありません。自閉症と言う過去の診断名によって学校等への受け入れが拒否されるのでは?などと危惧する方もいますが、4−5歳くらいまでに診断が取れたのであれば、将来への学校生活などへの影響もまずないでしょう。というか、わざわざ人の1−2歳の時の過去の記録を調べて差別しようなんて思うような暇な人はほとんどいないでしょう。(もうほとんどストーカーレベル。)もちろん、親への心労はかかります。親によっては、「自閉症なんてなんてことを言うんだ!」と怒ってしまう場合もあります。(親が感情的になるのは当然なので、仕方ないかもしれませんね。)それでもし診断が間違いであったとすれば、ほっとしたと同時に診断をした専門家にますます怒りを向けられる方もおられるかもしれません。ただし、ミスは出て当たり前なんです。完璧にはできないんです。診断を出すだけの、それなりの根拠...